小欲知足 2020 6 21
「小欲知足」(しょうよくちそく)とは、
仏教の教えで、「欲を少なくして、足ることを知る」ということです。
これは、仏教的な「悟り」に近づいた心境と言えるでしょう。
さて、私が大学生の頃は、
みんなが「欲望の塊」だったと言えるかもしれません。
女性にもてたいために車を買う。
当時は、真っ赤な「ファミリア」が人気の車でした。
金持ちの子息は、「ソアラ」を親に買ってもらう。
飲み会では、見栄を張って、
フォアローゼスというバーボンウイスキーを飲む。
飲み会もデートもない時は、雀荘で麻雀を打つ。
食べやすい「肉丼」で食欲を満たしながら、「大三元」を狙う。
このような生活をしていたら、
たとえ数日でも「小欲知足」ができたら、
仏教的な「悟り」に近づいたと言えるかもしれません。
ところが、今の男子大学生は、すでに悟りの境地にあるという。
つまり、今の男子大学生は、「物欲」がないという。
車の免許を取る大学生は、半分程度だという。
人間関係が面倒くさいから、恋人は欲しくないという。
アルコールは飲まない。
大食いは地球環境に悪いから、小食だという。
このような男子を「草食系」どころか「絶食系」という。
さて、これは、悟りを開いた境地にあるのか。
確かに、山奥で生まれて、山奥で暮らせば、欲は少ないかもしれません。
しかし、苦しみながらも「大欲」を制して、
「小欲知足」の境地に至ることこそ、「悟り」に近づいたと言えるでしょう。